「……やらんぞ」
「ええ〜〜!?」
「どうして私がそんなふざけたことをやらなきゃいけないんだ!?
だいたい、他の用途に用いた絵を、
服だけ変えて使いまわそうという考えが気にくわん!」
「……そういや、この企画、
当初は六月中に完成させるとか言ってたっけ」
「とにかく! 私はやらんぞ
誰か他の奴に頼め!」
「そうよねぇ、シェルロッタの着替えより、
シャク・シィの着替えの方がみーんな喜ぶかもね?」
「なっ!?――」
「およ?」
「あれ?」
「あー! イリーナさんですー!」
「はーい、みんなのイリーナお姉さん、
満を持してと・う・じょ・う!」
「な……なんでお前がここに!?」
「だって、呼ばれたんですもの」
「お呼びしたんですもの」
「クロエリ!?」
「今回の企画は内容が内容ですからねぇ、
シェルロッタの全面的な協力が必要です。
ですが、それは非常に難しい。
我々の力量では、逃走は阻めませんでしょう」
「恥ずかしがり屋だもんねー」
「おい!」
「ならば、目には目を、歯には歯を
四桁クラスには四桁クラスを!」
「……と、言うわけで、イリーナに協力を要請いたしました」
「そんなわけで、さあ! シェルロッタ!
さっさとそのちょうちんブルマ脱いで、
特注のこれに着替えてもらうわよ?」
「断るっ!
後、ちょうちん言うなっ!」
(……じゃああれ、かぼちゃパンツなの)
(……知らないよ、そんなの)
(シェルロッタさんの服って、
結構謎ですよねー)
「もー、なにもそこまで嫌がらなくてもいいじゃない
ただ服を着替えるだけなのに」
「嫌に決まっているだろうが!
お前は人前で、そんなこっ恥ずかしいことができるのか!?」
「うーん、そうねぇ……」
「あ、そうだ、
相手がコウスイだったら私はやってもいいかな」
「――っ!?」
「あの子の前で、おしゃれしたこととかまるでないし、
どんな反応するのかちょっと試してみたいなー」
「どう? シャク・シィやホクトも、そんなことない?」
「……ボクにそんなこと聞かれても、
答えようがないよ」
「うーん、えっと……ちょっとあるかな
やっぱり、新しい装備に着替えた時とかは、
一番に見て欲しいかも……」
「シェルロッタがそんなに嫌なら仕方ないわねぇ、
ここは代わりに、私かシャク・シィで――」
「そ……その程度で、私はのせられんぞ」
「あらそう? じゃあ、しょうがないわねぇ。
この手はあまり使いたくなかったんだけど……」
「カノコ、ちょっとこっち来て?」
「はい? なんですかー?」
「今から言うことを、
コウスイが覚えてるか確かめてきて欲しいの」
「昔、コウスイがすごく私に懐いてた時期があってね、
そしたらシェルロッタ、私の服を自分で――」
「わーっ! にゃーっ! ぎゃーっ!」
「イリーナさんの服を? どうしたんですかー?」
「うーん……」
「ごめんね、カノコ。
やっぱり、今のはいいわ」
「いえいえ、お気になさらずにー」
「……」
「……」
「はぁ……はぁ……」
「……さて、どうなさいますかシェルロッタ?」
「このままですと、流れは、
イリーナお姉さんの昔、懐かし、暴露対談になりますが」
「……くっ」
「やれば……やればいいのだろ!?」
「ご協力、感謝いたします」
「はーい、そうと決まれば、
さっさと脱ぐ脱ぐ、全部脱ぐ!」
「ちょっと待て!?
別に……ぬ、脱がなくてもいいのもあるだろう?」
「だめよ、だってあれからそれまで、
全取っ替えですもの」
「にやぁっ!?
ば、馬鹿こら、いきなりそれは――」
「ふっふっふ……
まだまだ、本番はこ・れ・か・ら、よ」