
「ぐっ……」

「いや、でも、
やっぱり、一番信頼出来る人だと思うよ」

「確かにその通りだけど、
むしろ、このメンバーだから際だつんだよな」

「……他に常識人がいませんものね」

「ツッコミに対して、
ボケ比率が多いからな」

「そのうち、胃潰瘍で倒れちゃうんじゃないかなぁ?
だいじょぶ? セン」

「……まあ、なんとかな」

「ええと、後は……」

「……ぶっちゃけ、
堅物でツッコミ役なことぐらいしか、特徴ねぇよね」

「それと、クロエリやシャク・シィに振り回されるぐらいだな」

「うーん、
クロエリさんからは、何かないんですかー?」

「――色々ありますわよ」

「一瞬でセンのお顔が、
メタモルフォーゼするような、武勇伝の数々が――」
「やめいっ!!」

「わっ!?」

「はわわ!?」

「お、落ちついてセン!」

「……はぁ……はぁ……はぁ……」

「あらあら、この程度で動揺するとは……
お若いですわね、セン=シュウキ」

「……はぁ……
いいか、クロエリ……
これ以上つまらないことを口にするな……っ!
……さもないと」

「さもないと?
……フフフフッ♪」

(ぞぉぉーーーっっ)

(……あったな特徴、
クロエリに、言えないようなことさせられた、とか)

(……不憫だよなぁ)

(でもでも、それでもクロエリさんと渡りあえるのは、
センさんぐらいしかいませんよ!?)

(実際に戦りあったら、
どうなるかわからんがな)

(ちょっと見てみたいよねー)

「――さて、
本人からストップが掛かってしまいましたので、
名前の由来に進みましょうか」

「セ、センの名前は、玉葱の品種名から来てるんだよね」

「……ああ、そうだ。
泉州黄という品種だそうだな」

「けど、タマネギとか安直だよなー」

「まあ、リルティといえばタマネギだろ」

「きゅーこんだよね」

「ただ、この名前に決まったのは、
ゲームのプレイ直前だな」

「?」

「リルティの名前は『=』がつくからな、
必然的に文字数が多くなる」

「当初は六文字しか入らないと思っていたらしい。
しかたないので、管理人は『=』を外した
名前を付けるつもりだったようだ」

「けど、実際には八文字入った、ってことか」

「そうだな。
それで、自分もカノも『=』を使った名前になったんだ」

「……ふーん、そっかー。
でもさぁ、それだと――」

「どうかした?」

「――イベントで名前呼ばれるときとか、
全部フルネーム呼びになるよね」

「……なりますねぇ」

「このゲーム、ほとんど身内から呼ばれるしな。
違和感バリバリになるぞ」

「……ギルドのメンバーなら問題ないけど、
主人公だと難しいかもな」

「うーんー」

「他の方々はどうしてるんだろうね」

「ちょっと聞いてみたいよな」

「……そういえば、
センはキャラ変更の影響は受けなかったのか?」

「通称、シェルロッタイフーンの影響ですわね」

「なんだそれは!?」

「姉御のキャラの強さは、オレら全員に、
影響与えてると思うけどな」

「でも、センのキャラはほとんど変更なかったみたいだよ」

「主要ではないが、初代の頃からコイツのキャラは、
あったみたいだな。
それをまんま流用したらしい」

「つまり、しっかりしてるってことですねー」

「……そのせいで、語ることが少ないけどね」

「……悪かったな」

「やはりここは、
彼の若かりし頃の武勇伝を――」