「なるほどな、それでこの性格か」
「へ？」
「あーそうだなー、
コウスイって周りに流されやすい質だよなー」
「ちょっと、押しにも弱いですよねー」
「すぐ人のこと、信用するしな」
「うっ……」
「あれだけアクの強い方々と暮らしていたら、
朱に交わって朱くなるか、
朱に交わるために、白になるしかありませんものね」
「わたしは優しいからいいとおもうけどなー」
「……なにも、悪いとは誰も思ってはないさ」
「えっ、あー……」
「あー、悪ぃ、コウスイ、
オレ、一つだけ納得いかねぇことがあるんだ」
「え！？」
「お前さぁ、
シェルロッタの姉御を始めとして、
やたらと女性関係が広いんだよ。
……ギャルゲーの主人公か！？」
「えええっ！？」
「……確かに、コンシューマのゲームとは思えないほど、
ヒロイン勢が充実しているな」
「見た目が同い年くらいのお母さんにー、
隣には、可愛い妹分と優しいお姉さん」
「人妻も二種類おりますわね」
「遅れてやってきた、レンちゃんもいますねー」
「……で、町の住人や、ギルドのメンバーもいる、と」
「今後、漫画化とかされるときには、
へたすりゃおめー、ラブコメになりかねないぞ、これ」
「いやいやいやいや、そんな馬鹿な！」
「……本編があれだったからな、
まったく別の路線で行くのも、悪くないかもしれないぞ」
「センまで！？」
「あらあら、珍しいですわね。
あなたがそんなことを言うだなんて」
「……さっさっと結論づけて、
先に進みたいからだよ」
「そうだな、この話はまた次回にまわすとして、
コウスイの設定云々の話に戻ろうか」
「……またやるんですか」
「コウスイさんの名前はあれですよねー、
果物から来てるんですよね？」
「確か、梨の『幸水』だっけ？」
「うん、管理人は、
初代からキャラの名前を、日本語のものから付けていて、
今回、クラヴァットの名前は、果物から選んだんだって」
「しましまリンゴからの繋がりだろうな」
「つーか、なんでそもそも、
和名なわけ？」
「なんとなくだそうですわよ」
「……最初は『秋水』っていう名前が思いついて、
梨っぽいなと思ったそうです。
そこから、僕の名前を梨から付けることを思いついて――」
「――で、僕の名前は林檎からとったんだよね」
「なるほど、なるほど」
「……そう言えば、
当初の予定では、コウスイのキャラも
まったく別物だったそうだな」
「え！？ それって……」
「ああ、そういやそうだな。
発売前の時点では、
もっと別の性格だったらしいな」
「なんというかそのー……
アカハラさんみたいなキャラの予定だったみたいですね」
「つまりは、鬼畜キャラだな」
「うええぇぇぇっっ！？」
「自分で言うなっ！」
「初代の時とは真逆のキャラにしたかったみたいですわね。
けど、蓋を開け……パッケージを開けてみたところ」
「……シェルロッタのキャラがあまりに強すぎた、か」
「それはそれで良かったかもしれませんがね。
結局、コウスイのキャラは振り回されるキャラに変更されたわけです」
「じゃーさ、アカハラのキャラも最初は違ったの？」
「いや、そうでもないようだ」
「そっかー。
……けど、ドＳなコウスイかー、
ちょっと見てみたかったなー」
「そうだ！
髪の毛染めたら、変わりませんかね！？」
「いやいやいやいや！」
「あったなーそんなの。よし、試してみるか。
おい、セン。お前のお気に入りの、クライマックス装備。
あれ、今どこにある？」
「……ああ、正義の仮面とかのことか。
ちょっと待ってろ、つい先程フェルプルに返して貰ったから……」
「それで一体何を！？」
「……だいたい、予想はつくだろ」
「イイジャン♪ イイジャン♪
スゲエジャン！」
「イイジャン♪ イイジャン♪
スゲエジャン！」
「いいかコウスイ、
……空気を読め」
「我らが主人公、コウスイさんですわね」
「長って……そんなたいしたものでもないですよ」
「？ コウスイ？」
「……」
「……昔は死ぬ気でついてきました。
「……大変だったんですね」
「無理です！」
「ぎゃふんっ！」